杉と聞いて、花粉症をイメージする方も多くいらっしゃるかもしれません。しかし、杉は決してネガティブな影響をもたらすだけの植物というわけではないのです。杉には、使いやすい木材として活用されてきた歴史があります。ここでは、杉と花粉症との関係についてみてみましょう。
杉が必要とされる役割とは？
杉には、木材活用をはじめ、災害対策や地球温暖化防止の役割があります。杉を大量に植林することで、土砂崩れや風害を防止できます。
また、他の樹木より二酸化炭素の吸収率が高いため、地球温暖化の軽減にもつながります。
花粉症増加の原因
杉は、私たちの生活において様々な役割を果たしている一方で、花粉症の原因にもなっています。では、なぜ花粉症の人が増えているでしょうか。杉は、風によって花粉を運ぶ風媒花の一つです。昆虫などによって花粉を運ぶ虫媒花に比べて、杉は多量の花粉を遠くまで運べるため、花粉症の原因になりやすいと考えられています。風媒花であること以外にも、戦前から戦後にかけて杉の植林が盛んになった背景も花粉症増加の原因です。
本来、植林された杉は、木材としてある程度伐採されるはずでした。しかし、近年、木材の輸入自由化が進むにつれて、国産杉より外国産木材の需要が高まっています。
その結果、放置された大量の杉による花粉飛散量が急激に増えたのです。今や国民の3人に1人は花粉症といわれています。
国産杉の需要が高まれば花粉症が減る！？
国民の3人に1人が悩まされる花粉症。できることなら花粉症になりたくないと誰もが思っているはず…。そこで、花粉飛散量を減らす対策として、国産杉の需要の向上が挙げられます。
国産杉の活用が減ってしまっては、杉の伐採が進みません。国産杉のニーズが高まることで、杉の手入れや伐採もしっかり行われ、花粉飛散量の軽減が期待できます。さらに花粉症対策苗木の研究・開発にもつながるでしょう。
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