ウエスタンレッドシダー(米杉)原産地視察レポート

店長のくり坊こと栗栖です。10数年前の夏、原産地カナダへ行ってまいりました。
その時のレポートを通して、当店の主力樹種である米杉=ウエスタンレッドシダー(以下WRC) について、詳しくご紹介させていただきます。 

まだ若かりし頃の店長 ■生命の木
カナダの太平洋沿岸地域には深い山々に抱かれ、悠久の時の流れを年輪に刻んだ広大な森林が展開しています。この常緑針葉樹林を構成する代表的な樹種の一つがWRCです。

WRCは「木曽五木」の一つであるネズコと同じヒノキ科ネズコ属の樹木で、日本では米杉の名で親しまれていますが、米国産の杉ではありません。

カナダの先住民は信仰の対象としてこの木からトーテムポールを作製した他、カヌーや住居の材料として、また樹皮から採取された強靭な繊維は布地や魚網等に余すところなく使用してきました。

木材繊維が通直で狂いが少なく、加工性に富み、かつ成長過程で生成される油性抽出成分が自らの耐候性と優れた防腐防虫効果を発揮し、性能が劣化しにくいWRCは、太古より「生命の木」として崇められてきました。
■高さ60m以上、直径2m以上の大木
WRCは、天与の材質により、カナダ産針葉樹の中でも最も長寿命の樹種の一つです。
WRCはカナダ西海岸のブリティッシュ・コロンビア州一帯に生育し、豊富な雨量、比較的に温暖な環境条件の中で、通常、高さ60m以上、直径2m以上に成長します。

美しく耐久性がある上、あらゆるものに利用できるWRCは、今日では世界中で活用されています。WRCはどんな用途にも適していますが、その特徴(耐久性と断熱性)から気候条件の厳しいところ、屋根や壁、デッキやフェンスに定評があります。

当店の商品に使用している原木も樹齢300年以上の材が中心となりますので、年輪も緻密で成長の歴史を感じさせてくれます。
■木材保護政策
原産地カナダでは州政府のもと、保続生産システムにより木材の伐採量が管理されています。
そのためWRCが一年間で伐採される量は、年間成長量以下になるよう制限されているのです。
環境保全と産業の融合により、唯一再生可能な天然資源「木材」が上手に活かされています。

計画的な植林、育林、伐採、そしてその繰り返しによる森林保全、この当たり前のようなことができていないところが多いのが現実ですが、ことWRCに関してはその思想に感動を覚えました。


製材ライン〜1
貯木場から水揚げされた原木を大型ギロチン(直径2mの丸ノコ)でカット(玉切り)し、 これから皮むき工程に入るところです。

ベル トコンベアに乗った原木が奥に進んでいくと、 センサーが感知して鉛筆削りの要領でゴリゴリ 皮をむいていきます。

写真をとったすぐ後ろでギロチンが作動しており、そのあまりのもダイナミックなカットに 少々足がすくんでしまいました。

製材ライン〜2
皮むきされた原木は大型の製材機で板状に製材されます。
わかり易く例えるなら、BBQの時、人参を板状に切りますよね。
そんな感じです。

それを更に均等幅にカットしたのがこの写真です。
写真はそれを選別しグレード別に仕分けしている工程です。

この後、製品は加工工程に入りモルダーという機械で表面を削り、
更に選別工程を経て長さ別に梱包されます。

製材品
現物は製材大手のインターフォー社のデッキ用No1グレードElite(エリート)です。

製品グレードは大別してNo4までの4ランク、これを適材適所の言葉通り、当店商品の品質要求レベルに合わせて使用していきます。

カナダでは最大手のウエハウザー社のWRCも輸入していますが、生産工場によって同じグレードでも工場直結の山林によって樹齢の格差もあり、おのずから色合いや節の大きさ、数が違ってきます。

当店では、商品によって製材会社・工場を指定し、最適な原材料を輸入しています。