vol.8 「ウッドザビエル、木材資源を語る」の巻
いやー、本当にご無沙汰してしまいました。
なんと、半年ぶりくらいです。
これからはコンスタントに顔を出そうと思いますので、忘れないでね。

さて、半年前に前回、私 くり坊は、「木の伝道師・ウッドザビエル」の称号を受け、
いよいよ、悪の国「キワクサルカラヤダ」に旅の仲間とともに出発しなければならない。
「キワクサルカラヤダ」には、悪の王「キワワレルソルマガル」がおり、
何かにつけて木の悪口を言い放ち、善良な人間を木が嫌いな者に変えてしまうらしい。

ほら、あなたの耳元でささやく声が聞こえませんか?
キワクサルカライヤダ
キワワレルソルマガル・・・・


さて、それはさておき、本題に入ります。
今回のテーマは、「木」のことをもっと知っていただくために、
資源としての木材について語ってみよう!

「木は、再生可能な唯一の天然資源である」事実は、私が昔お世話になっていた
WOOD ONE(旧社名・住建産業)のコンセプトでもありました。

確かに、リサイクルというものはありますが、使用した石油そのものを再生することなど出来ません。
現在行われているリサイクルというのは、限りある資源をなるべく長持ちさせるための手段であって、
半永久的な資源確保を約束するものではありません。
(う〜ん、硬い話ですいません)

その点、木は、育てれば大きくなる。消費した分植えておけば半永久的に資源が確保される。
最も21世紀的な資源は、「木」なのではないか。
そう思うのですが、いかがでしょう。

広島といえば「かき」ですが、その「かき」生産者の若手がなんと、
山に木を植える活動をしているらしい。

一見不思議な話ですが、「豊かな海は、豊かな山がつくる」からなのです。
豊かな山には木々が生い茂り、森を作っています。その森から流れてくる
栄養豊富な水が流れ込んでくる河口付近には、プランクトンがおり、
貝がおり、海草があり、魚たちが集まるという理屈です。
砂漠のような土地から流れてきた水では、海は豊かになりません。
その若手「かき」養殖業者のえらいところは、自分の現在の生活基盤が
遠い山地に依存しているということをイメージできるということでしょう。
谷あいの一本の木にも感謝できるとしたら、それはもう素晴らしいですよね。立派です。


日本の杉は余っているという話を知っていますか?
戦後、日本中の山に「杉」が植林されました。
戦争で伐採しっぱなしの山に、成長が早く、建築用材として
利用度の高かった「杉」は戦後復興にもってこいの木だったのです。

が、しかし、状況は大きく変わり、杉にとっては受難の時代となりました。
昔の杉は、柱から建具、造作材はもちろん、壁材・外壁まで、
実に幅広い用途に大量に使われていました。

しかし、いまや、せいせい柱くらい。壁面にはベニアか石膏ボードにクロス張り、
外壁はサイディング。建具もベニアにシート張り、
床もまたベニア。押入れの中もベニア。

その結果、「化学物資過敏症」などという現代病も発生。
いつのまにか「杉」出番はなくなってしまっていたのです。
それなのに、山には杉がいっぱい。
特にこの季節は、「花粉症」の元凶とされ、嫌われる始末。

それでも、安ければ使われるはず、とおもいきや、国内の林業はコストが高すぎて輸入ものに勝てない。
ホームセンターに行くと、2X4のランバーなんてものすごく安い。

「日本の山から海辺の町まで木材を運ぶ運賃と、
ニュージーランドから日本まで持ってくる運賃が同じ」というのは、
私がかつてお世話になっていたWOOD ONE(旧社名 住建産業)の会長がよく言っておりました。

林業が儲からない、となると、誰も木を植えない。
それでも植えてほしいから国が補助金を出して植えてもらっている。というのが実情です。


WOODPROにも「デッキパネル国産杉(赤味)B型」という商品があります。
なぜ、赤味なのか?

赤味は、赤身または、芯材ともいい、木の中心に近い部分で、一般的に赤味を帯びています。
その周辺の白い部分が「しらた」といいますが、この部分が腐りやすい。

本来、杉の赤味は腐りにくいのですが、特に間伐材などはほとんど「しらた」なので、腐りやすい。
木に赤味と「しらた」があることを知ってる人のほうが少ないので、
「杉」は腐りやすいという評価ができたりする。悲しいことです。

今回は、なんだか硬い話に終始してしまいましたが、ウッドザビエルを襲名し、
第1回目としては仕方あるまい。

ということで、これからも「キワクサルカラヤダ」の陰謀を打破し、
木の本当の姿を伝えるべく精進いたしますので、応援の程よろしくおねがいいたします。