vol.3 「木が腐る」ことへの対策について --- その1
またまた、ひとりごとのコーナーですが、これが本当のひとりごとになってしまうと、かなり寂しいので、皆さん、ちょっとだけでも目を通してくださいませ。

さて、今回のテーマは、前回予告したとおり、「木が腐る」ことへの対策についてです。

木が腐る条件は3つ。
そのどれが欠けても木は腐りません。

まず、適当な水分
次に、適当な温度
最後に、空気 の3つです。

これは、食べ物が腐る条件と一緒。
食べ物を腐りにくくするために、乾燥させてり、冷凍したり、真空パックにしてりするでしょう。
木だって、そうすれば腐らないのです。

まして、冷凍保存されたデッキでは・・・おおさぶ。

ベニスって町はご存知でしょう。そう、イタリアの水の都ベニスです。
ベニスは、木の上に作られた町だってこと、知ってますか?

ベニスは、もともと海の浅瀬で、ほとんど水没している湿地帯という感じでした。
(もちろん見たわけではありません。)
ベニスの人は、もともと普通の陸地に住んでたわけですが、外敵が侵入してくるたびに海の上の湿地帯に逃げていた。
それが繰り返されるうち、「どうせならここに町を作ってすんでしまおう」ということになったわけです。

湿地帯では家も建てられない。そこで、海の中にたくさんの木の杭を打ち込み、その上に石の板を置いて、その上に町をつくったのです。
だから、当然「水の都」になってしまうのです。

でも、なぜ、その木の杭は腐らずに何百年も町を支えているのか。
そこが問題です。そう、海中に立てられた杭は、空気がないので腐らないのです。
昔の人は偉かった。

さて、話をもとに戻しましょう。
木の腐りを防止する最も現実的で効果的な方法は、「乾燥させる」ことです。

住宅の内装に使われている木はそう簡単に腐りません。
腐るとすれば、床下の通気が悪くいつもじめじめしている場合とか、雨漏りして水が溜まっていたりとか、
あるいは、壁の内部で結露が発生している場合に限られます。もちろんそれは欠陥住宅。

でも、エクステリアの場合は、そうもいってられません。
雨がかかってあたりまえですから。
とすれば、木をより長持ちさせるためには、

1. 腐りにくい木を使用すること。
2. 濡れても、すぐに乾くようにすること。
の2点がポイントです。

木には、腐りやすい木と腐りにくい木があります。

腐りにくい木の代表格は、針葉樹では、レッドウッドやレッドシダー(米杉)、
ヒノキ、ヒバ、など。広葉樹では、チーク、ジャラ、イペ、セランガンバツなど。

また、同じ木でも腐りやすい部分と、腐りにくい部分とがあります。

一般に、木の外側には、白太といわれる白い部分があります。
その部分は、木が生長していたときに活発に活動している部分で、
伐採されたあとも水分を吸いやすく腐りやすいという特徴があります。
どんなに腐りにくい木でも、白太は腐りやすくなります。

木の中央よりには、赤味と呼ばれる赤い部分があります。
これは、すでに活動を休止して仮死状態にある部分で、
この部分こそが伐採されたあと腐りにくい部分です。

一般に、木の耐朽性(腐れに対する強さ)は、赤味の部分で比較します。
たとえば、「ヒノキは水に強い」といっても、それが白太では意味がないのです。

ですから、WOODPROのベランダデッキには、わざわざ「国産杉(赤味)」と書いてあります。

杉材、特に飫肥(おび)地方(宮崎南部)の杉は「飫肥杉(おびすぎ)」といって、
船材にも使用されてきたほど腐りにくい木です。(WOODPROは、飫肥地方の杉を使用しています)

それでは、整理しましょう。
1、木には腐りにくい木と腐りやすい木があります。
2、同じ木でも、白太は腐りやすく、赤味は比較的腐りにくいという特徴があります。

今度木を見るときには、そのあたりに注意しましょう。

屋外に使用するウッドデッキで、「天然木」などど
あいまいな表現をしている商品は、まず怪しいと考えて間違いありません。
「天然の木であることのほかにアピールすることのない木」だと思ってください。

長くなりましたので、今回はこのへんで。
さて、次回は、ポイントその2の、濡れてもすぐに乾くようにすること、についてのたまうことにしましょう。